はじめに|旅行先でもRAW現像を完結させたいあなたへ
旅先や外出先で夜景を撮影しても、「帰宅しないとRAW現像ができない…」と思っていませんか?
実は、iPhone × SDカードリーダー × Lightroomモバイル
この3つがあれば、旅行先でも夜景RAWの本格現像が完結します。
今回は Sony ZV-E10(ISO3200)で撮影した夜景RAW を題材に、Lightroomモバイルで仕上げるリアルなワークフローを実践形式で解説します。
最後に Lightroom Classicとの仕上がり比較も載せているので、「スマホでどこまでできるの?」という疑問にも答えます。
ワークフロー①|SDカードリーダーを使ってRAWをiPhoneに取り込む
iPhone 14 Pro + Lightning対応のカードリーダー(ELECOM(エレコム)の「MR-LC201WH」)を使用。
アプリはEXtorage Linkを使用し、RAW+JPG設定にしていたため、一覧画面にJPGがプレビュー表示され、RAW(.ARW)は「ファイル」タブからアクセスできました。

【Lightroomモバイルへ読み込む手順】
1.EXtorage Linkアプリの「外部ストレージ」をタップ

2.右側の「ファイル」をタップして、.ARWを選択(.ARWデータはフォルダの中にあります)

3.「Lightroomで編集」をタップすると、Lightroomモバイルに読み込まれます。


RAWデータをそのままiPhoneに取り込めるため、旅行先のカフェでもRAW現像が始められます。
ワークフロー②|Lightroomモバイルで初期補正(RAWの方向性を決める)
取り込んだRAWを開いて最初に行うのは、
“写真の方向性” を決めるためのベース調整 です。
ホワイトバランス
夜景は街灯の影響で黄〜オレンジに寄りがち。
まずは WB:昼光をベースに、以下の微調整が安定します。
色温度:5000K〜6000K
色かぶり:+5〜+15(軽くマゼンタ寄り)

露光量・ハイライト
ISO3200のZV-E10は暗部にまだ階調が残ります。
露光量:+1.4〜+1.7
ハイライト:−30

シャドウ・黒レベル
夜景は黒が締まりすぎると質感が消えるため、控えめに。
シャドウ:+15〜+40
黒レベル:+5〜+10

ワークフロー③|ノイズの軽減(ISO3200に最適な設定)
今回の夜景RAW(ISO3200)はノイズがしっかり出ていました。
特に暗部には輝度ノイズ・カラーノイズが目立つ状態。
Lightroomモバイルでは以下が最適でした
ノイズ軽減:40〜50
ディテール:50前後
カラー ノイズの軽減:デフォルト(25)でOK


ISO6400では「50〜60」が目安ですが、
ISO3200なら 40台 のほうがディテールが残りやすいです。
ノイズの軽減後は暗部のザラつきがほぼ消えます。
ワークフロー④|色とコントラストを整える(夜景らしさの仕上げ)
自然な彩度
+5〜+10
色が不自然にならず、建物の色が程よく引き立ちます。

カラーグレーディング(色調整)
夜景に“青み”を少し加えると、全体が引き締まります。
シャドウに青を軽く加えます。
【設定方法】
1.色調整をタップします。

2.カラーグレーディングが表示されます。左端の「シャドウ」アイコンを選択。

3.下のカラーホイールで、中心の丸を青方向へ 1〜2mm 動かすだけ
(微量の補正で十分効果があります)

ここまで仕上げると、iPhoneだけで夜景RAWを十分に整えられます。
Lightroomモバイル版の補正は、Instagramなどスマホ表示のSNSと相性が非常に良いのも特徴です。
夜景写真では暗部の階調よりも“明るさと視認性”が重視されるため、モバイルで仕上げたメリハリのあるコントラストがちょうど良く、投稿時に最も綺麗に見えます。
Lightroom Classicで仕上げるとどう違う?(比較)
今回は Lightroom Classic でも仕上げを行いました。
結果は以下の通りです
| 項目 | Lightroomモバイル | Lightroom Classic |
|---|---|---|
| 編集画面 | 小さく暗部が見えにくい | 大画面で暗部の階調が見える |
| 階調の再現性 | やや控えめ | 一段階階調が豊か |
| AIノイズ除去 | 実用レベル | より自然でディテール保持が優秀 |
| 微細な調整 | 限界あり | トーン・色補正が細かく可能 |
| 仕上がり | モバイルとしては十分 | 最終品質はClassicが優位 |
特に夜景編集は「少し明るさを変えるだけで仕上がりが変わるジャンル」
なので、Classicの“暗部の見やすさ” と “細かい操作性” は大きなメリットです。
完成した写真の比較
Lightroom Classic版
階調が豊かで、建物のディテールが自然に残る。
暗部にも質感が出ており夜景らしい深みがある。


Lightroomモバイル版
スマホ完結でここまで仕上がるのは十分実用的。
ただしClassicと比べると中間調の明るさが控えめ。


Lightroom Classic版とLightroomモバイル版の画像比較
まとめ|iPhone完結でも“実用レベルの夜景現像”ができる
ZV-E10 × ISO3200の夜景RAWでも、Lightroomモバイルのノイズの軽減と軽いトーン調整だけで、旅行先のカフェで仕上げられるレベルのクオリティになります。
さらに、Lightroomモバイル版の補正は、Instagramなどスマホ投稿との相性が非常に良いのも大きなメリット。暗部階調よりも“視認性と明るさ”を重視するSNSでは、モバイル仕上げのコントラスト感がもっとも綺麗に見えます。
ただし、最終品質や細かい階調まで突き詰めたい場合は、大きな画面で精密に操作できる Lightroom Classicが圧倒的に有利。
用途に合わせて使い分ければ、旅先でも自宅でも快適で柔軟なRAW現像ワークフローが完成します。