はじめに
桜の季節が過ぎ、木々が鮮やかな「初夏」の色に染まり始めました。
休日を利用して、そんな瑞々しい光を求めて、一眼レフと1本の単焦点レンズを持って公園へ行ってきました。
撮影のテーマに選んだのは、「新緑と光」。
持ち出したのは、ニコンの銘玉「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G」です。 実際に撮影してみると、そこには肉眼で見る以上にドラマチックな風景が広がっていました。
まずは、今回使用したレンズの詳細をこちらからチェックしてみてください。
SNS(X)でも少しだけ先行して写真をアップしたのですが、改めてブログでこのレンズが描き出した世界をご紹介したいと思います。
単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G」の魅力
今回、私がこのレンズを選んだ理由は、単焦点レンズならではの「圧倒的な明るさ」と「軽快さ」が、初夏の自然撮影にどう応えてくれるかを試したかったからです。
実際に使ってみて感じた、このレンズの凄さを3つのポイントにまとめました。
① 暗い場所でもノイズを抑えたクリアな描写
F1.8という明るさのおかげで、木々が鬱蒼とした暗い場所でも、ISO感度を上げずに被写体をシャープに撮れるだけでなく、ピント面の薄さにも驚きました。 この写真を見るとわかる通り、ピントを合わせた中央の葉はシャープですが、そのすぐ手前と奥の葉は、柔らかくボケています。 このわずかな距離でのボケが、写真に立体感と奥行きを与えてくれます。

② 解放F1.8が作り出す「主役」を際立たせるボケ味
先ほどの①の写真を見ていただくと一目瞭然ですが、開放絞りから非常に高い解像力を持っており、ピントを合わせた部分は驚くほどシャープです。それに対して背景は、大きなボケ味に包まれます。 背景の風景を完全に消し去るのではなく、自然なボケ味を残しながら主役を浮かび上がらせる。
このボケ味の絶妙なバランスこそ、このレンズが「名玉」と呼ばれる理由だと実感しました。
③ 約200gの軽さで身軽に撮影
重量は約200gと非常に軽量です。カバンにすっぽりと収まり、長時間歩きながらの撮影でも全く負担になりませんでした。 「身軽に動ける」ということは、それだけ多くのシャッターチャンスに出会えるということ。この機動性こそが、フィールド撮影では大きな武器になります。
【結論】DXユーザーなら必携の「ドラマチック」なレンズ
日常の何気ない風景を、一瞬でドラマチックな作品へと変えてくれる描写力があります。 これから一眼レフを始める方はもちろん、改めて「撮る楽しさ」を味わいたい上級者にとって、まさに必携の1本だと言えるでしょう。
光とボケ味で撮影した作品紹介
今回の撮影テーマ:新緑撮影・5つのゴールデンルール
今回は、あらかじめ決めておいた5つのルールを意識して撮影に挑戦してみました。
- 逆光を味方にする
- 開放F1.8で被写体を絞る
- 背景に丸ボケを作る
- 歩いてシャッターチャンスを狙う
- ローアングルで狙う
これらのルールがどう写真に反映されたのか、作品とともにご紹介します。
① F1.8が描き出す空気感のあるボケ味
単焦点レンズの醍醐味といえば、やはりこの空気感のあるボケ味です。

この日は少し風があり、枝先の葉が絶えず揺れていました。ピントを合わせるのが難しい状況でしたが、風がふっとおさまる一瞬を待ってシャッターを切った、こだわりの一枚です。
「新緑の葉にピントを合わせ、背景に光が漏れる場所を選ぶ」
たったこれだけで、F1.8(今回は少し絞ってF2)の開放付近が、背景の木漏れ日が柔らかい「玉ボケ」へと姿を変えます。主役の新緑の葉がまるで空気中に浮かび上がっているかのような仕上げになります。
これは、スマホの加工では決して真似できない、光学性能が生み出す本物の空気感です。
② 太陽を味方に。透過光とゴーストのドラマ
「新緑と光」というテーマにおいて、最も欠かせないのが透過光の表現です。実は、このパターンの写真はストックフォトなどでも非常に需要が高く、人気のある作例でもあります。

上記のルール通り、あえて太陽に向かってレンズを向ける「完全な逆光」で撮影しました。
絞りをF7.1まで絞り込むことで、葉の一枚一枚をシャープに描き出しつつ、太陽の光が葉を突き抜ける「透過光」を狙っています。これにより、葉脈が美しく浮き上がり、新緑特有の瑞々しい透明感が強調されます。
また、レンズに直接強い光を入れることで、わずかに発生するフレアやゴーストも、この作品においては「季節の輝き」を演出するドラマチックな要素です。光を避けるのではなく、あえて「味方」にすることで、記憶に残る一枚に仕上がりました。
③ 地面スレスレで見つけた、ローアングルの世界
最後は、視点をぐっと下げて足元の世界を切り取った作品です。ここでは、5つのルールのうち「自分の足でベストなシャッターチャンスを探す」と「ローアングルで世界観を変える」を実践しました。

いつもは通り過ぎてしまうシロツメクサですが、地面スレスレまでカメラを下げて撮影しました。35mmという画角は、自分が一歩近づくことでマクロレンズのような使い方もできます。
撮影距離は被写体になるべく近づけることで、背景の芝生が光に当たってが柔らかくぼけて、主役の花が草むらに佇んでいるかのようなドラマチックな一枚になりました。
見慣れた風景でも、「寄る」「下げる」という単焦点ならではのアクションを加えるだけで、全く違う世界が見えてくる。
これこそが、このレンズを持ち歩いて、シャッターチャンスを見つける楽しさかもしれません。
まとめ:日常をドラマチックに変えてくれる一本
今回、「新緑と光」をテーマに公園を歩いてみて、改めて実感したことがあります。 それは、「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G」は、日常の何気ない風景を一瞬でドラマチックな作品に変えてくれるレンズだということです。
あらかじめ決めておいた「5つのゴールデンルール」を意識しながら撮影しましたが、単焦点レンズだからこそ、自分の足で動き、光を探す楽しさを再発見することができました。
- 暗い場所でもISOを上げずに撮れる安心感
- 開放F1.8が生み出す、ため息が出るようなボケ味
- わずか200gという、どこまでも歩いていける軽快さ
実際に撮影した写真を見返すと、そこには肉眼で見ていた以上の透明感と瑞々しさが写し出されていました。このレンズを手にして、本当によかったと心から思える一日になりました。
今回使用したレンズはこちら
スペックだけでは語れない魅力が、このレンズには詰まっています。
ズームはできませんが、その分、自分の距離感でドラマチックに定着させてくれるレンズです。