はじめに

ストックフォトを始めたばかりの頃、私は身近にある花を中心に撮影してAdobe Stockに投稿していました。
「綺麗に撮れたから、もしかしたら売れるかもしれない」と思っていましたが、結果はほとんど売れず…。
今回は、実際の体験から「花写真が売れない理由」と「改善のために気づいたこと」を紹介します。

最初に投稿した花写真はほとんど売れなかった

初心者の私は、撮影=「綺麗に残すこと」と思っていて、被写体を真ん中に配置する日の丸構図ばかりでした。
紫陽花やひまわり、バラなど、よく見かける花をアップで撮って投稿していましたが、結果はほとんどダウンロードされませんでした。

当時は「なぜ売れないのか」考えることもなく、ただ枚数を増やすことを意識していたのです。

売れなかった花写真の共通点

実際に振り返ると、売れなかった写真には共通点がありました。

  • 日の丸構図で余白がない デザインで文字やロゴを入れるスペースがない
  • 主題が強すぎる 写真としては良くても、広告素材としては使いにくい
  • 色や光の工夫が足りない 暗かったり凡庸だったりして、他の作品に埋もれる

特に、紫陽花のアップは「綺麗だけど用途が限定的」、ひまわりは「暗い・または典型的な構図」で差別化ができませんでした。

赤いバラのアップ写真。被写体を中央に配置した日の丸構図で、余白がなくデザインに使いにくい例
淡いピンク色のバラのクローズアップ。主題が強すぎて、広告素材としての用途が限定される構図
紫陽花の花を中央に大きく配置した写真。美しいが余白がなく、背景素材としては使いにくい
青空を背景にしたひまわりのアップ写真。構図が典型的で、他の写真との差別化が難しい例

売れた花写真は意外とシンプルだった

そんな中でも、例外的に売れた花がありました。

  • 赤いバラ 恋愛や結婚、ギフトの象徴として広告需要がある
  • ノースポールの群生 背景やパターンとして使いやすい
  • たんぽぽ コピースペースと余白があり、春のイメージに使いやすい
  • 紫陽花 余白があり、梅雨や季節感を表現する広告に使える

これらに共通していたのは、「広告やデザインで用途が明確」だったという点です。
単に「花をきれいに撮った写真」ではなく、「どう使われるか」が想像できるものが売れやすいと気づきました。

赤いバラのクローズアップ写真。恋愛や結婚、ギフトの象徴として広告に使いやすいイメージ
ノースポールの花が群生して咲く様子。背景やパターン素材として利用できる構図
青空を背景にした一輪のたんぽぽ。余白があり、春のイメージやコピー用スペースとして使いやすい
紫陽花のクローズアップ写真。梅雨や季節感を表現する広告素材として需要がある

改善のポイント|今ならこう撮る

売れなかった経験を振り返って、今なら次のポイントを意識します。

  • 余白(コピースペース)をつくる
    空や背景を広めに入れ、文字を配置できるようにする。
  • 群生や引きで撮る
    花畑のように広がりを持たせると背景素材として使いやすい。
  • 光との組み合わせを意識する
    花や葉を逆光で撮り、太陽光や木漏れ日を取り入れることで、生命感や爽やかさ、エコロジーのイメージを演出できる。
    実際に「光を取り入れた植物の写真」は、光がないものよりダウンロードされやすい傾向がある。
  • 明るさと色を整える
    RAW現像で明るさ・彩度を調整し、広告向けに爽やかさを出す。
  • 花+風景の組み合わせ
    花単体より、街並み・空・建物と組み合わせると需要が広がる。

切り抜き花素材という選択肢

花の写真そのままでは売れにくいことが多いですが、切り抜いて透過PNGにすることで需要が生まれるケースもあります。

実際に私は写真ACで、花を背景から切り抜いたパス付きのPSDを販売したところ、実際にダウンロードされました。
これは「そのままデザインに使える利便性」が評価された例だと思います。

  • 単体の花を切り抜けば、ポスターやチラシなどのデザイン素材で使いやすい
  • 複数の花をセットにすれば、フレーム素材や背景アレンジに活用できる
  • 季節の花(桜・紫陽花・ひまわり・バラなど)を透過素材にすると、より汎用性が高い

このように「売れにくい写真を素材化して生まれ変わらせる」工夫も、ストックフォトを続ける上で有効な方法のひとつです。

昔は花を1枚切り抜くだけでもかなり時間がかかりましたが、今はPhotoshopなどのAI選択機能を使えば数分で仕上げられるようになりました。
作業時間が短縮されたことで、以前より気軽に「花の切り抜き素材」をストックフォト用に準備できるのも大きなメリットです。

こちらは、写真ACに投稿したパス付きのPSDのバラと紫陽花です。

初心者へのアドバイス

花の写真は誰でも撮りやすいため、ストックフォトではライバルが非常に多いジャンルです。
しかし「どう使われるか」を意識して撮影・編集すれば、売れる可能性は十分あります。

  • きれいに撮ることよりも「広告での使いやすさ」を優先する
  • 日常的な花でも、構図や光の工夫を加えれば需要がある
  • 売れない経験も学びにつながるので、まずは挑戦してみる

まとめ

ストックフォト初心者が花を投稿しても、すぐに売れることは少ないかもしれません。
私自身も、ほとんどの花は売れませんでした。
しかし、振り返ることで「売れない理由」が見えてきて、改善ポイントを意識できるようになりました。

これから花を投稿する方は、ぜひ「用途」や「光との組み合わせ」を意識して撮影・タグ付けをしてみてください。
売れない経験も、必ず次の一歩につながります。

ストックフォトで作品を投稿する際は、LightroomやPhotoshopでの
色調補正やトーン調整が作品の印象を大きく左右します。
編集で明るさ・色味を整えるだけでも、審査の通過率が高まるケースがあります。
仕上げ作業には、RAW現像から最終仕上げまで一括で行える
Adobe Creative Cloudフォトプランがおすすめです。

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※掲載写真についてはこちらをご覧ください。