はじめに|「知的財産権の侵害」で落ちた理由がわからない

Adobe Stockに写真を投稿していると、時々「知的財産権の侵害」という理由で審査に落ちることがあります。
私の場合は、都市のビル群を撮影した写真で何度かこの理由で却下されました。ロゴや看板などは映っていないのに、なぜ知財侵害と判定されるのか?原因を探っていくと、どうやら「オフィス」単独タグが大きく関わっている可能性が見えてきました。

実際に起きた審査落ち事例

ビルのリフレクションや都市風景を撮影した写真をAdobe Stockに投稿した際、「オフィス」というタグを入れていたところ、知的財産権の侵害で却下されました。
タイトルや説明文には問題がなかったため、タグが影響したと考えざるを得ない状況でした。

実際に入れていたタグは以下になります。
都市風景, 東京, 街並み, ビル, 建築, ビジネス, オフィス, アーバン, 風景, 日本, アジア, 窓ガラス, 反射, リフレクション, 都市, 屋外, 都会, 街, 都市景観, 首都圏, 建物, 建造物, ビル群, 都心, 高層ビル, オフィス街, ビジネス街, 不動産, 昼間, 日中, 関東, オフィスビル, 摩天楼, 大都会, ビル街, シティ

Adobe Stockでは、知的財産権に関連する理由で却下されるケースが公式にも明記されています。公式ガイドラインの「却下される一般的な理由」には、以下のように説明されています。

知的財産権(IP)の問題
知的財産権によって保護されているコンテンツがファイルに含まれている場合、ファイルが承認を受けることはできません。(中略)特定の著名な建築物やモダンな建築物にフォーカスしている画像の場合、リリースが必要です。

出典:Adobe Stock コントリビューターガイド|却下される一般的な理由

成功例との比較

一方で、以下のように 「オフィス街」「オフィスビル」 といった複合タグを使用した作品は問題なく審査を通過しています。

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同じようにビル群を撮影した写真ですが、「オフィス」単独ではアウト、「オフィス街」や「オフィスビル」ではセーフという差がはっきり出ています。

さらに補足すると、過去に「知的財産権の侵害」で却下された作品を、「オフィス」タグを削除して再投稿したところ、無事に販売開始となりました。
このことからも、タグの付け方次第で審査結果が変わる可能性が高いと実感しています。

「オフィス」タグが外観写真で落ちやすい理由を考える

公式に発表されていませんが、考えられる理由の一つは、「Microsoft Office」との誤検知です。Adobeの一次審査にはAI判定が導入されており、タグに「オフィス」と入れると商標ワードとして引っかかる可能性があります。

しかし、それだけでは説明できないケースも見受けられます。
もう一つの要因として考えられるのが、企業オフィスビル外観が知的財産権の対象になる場合です。

Adobe Stockのガイドラインにも以下のように記載があります。

独特な構造のモダンな建築物にフォーカスしている画像の場合、リリースが必要です。場合によっては都市の景観やビル群の一部として表現されている場合に限り承認されることがあります。
出典:Adobe Stock コントリビューターガイド|却下される一般的な理由

つまり、

  • 室内オフィスの写真 汎用的イメージとして「オフィス」タグOK
  • 外観オフィスビルの写真  特定企業の建物と判断され、知財リスクが高まりやすい

このような違いがあると推測されます。

まとめると「Microsoft Officeとの誤検知」+「企業オフィスビル外観=知財対象」
この2つが重なり、外観写真に「オフィス」タグを付けた場合、審査落ちの可能性が高くなると考えられます。

対策と工夫

  • 単独「オフィス」タグは避ける
  • 代わりに「オフィス街」「オフィスビル」「ビジネス街」など具体的な表現を使う
  • 過去に審査通過したタグを基準に再利用する

これらを意識するだけで、審査落ちのリスクをかなり減らせます。

まとめ|タグ選びも戦略の一部

Adobe Stockでの審査は、作品の質だけでなくタグの付け方にも左右されます。
「オフィス」タグのように一見普通の言葉でも、商標との誤検知でリジェクトされるケースがあると思われます。
これから投稿する方は、タグを“単独”で入れるか、“複合語”にするかも意識して、ぜひ審査通過率を上げていきましょう。

※掲載写真についてはこちらをご覧ください。

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