はじめに

「Adobe Stockに投稿しても売れない…」。多くの場合、原因はジャンル選定用途想定、そしてタグ設計にあります。この記事では、実際に売れやすいテーマと避けたいNG傾向を、制作・撮影時のチェックポイントとセットで整理。あなたのポートフォリオを“買い手視点”に最適化します。

Adobe Stockで“売れる”ジャンルと攻略法

Adobe Stockで売れるジャンルを象徴する写真。ビジネス、テクノロジー、医療、環境、抽象背景のイメージ

ビジネス・ライフスタイル(在宅・会議・チームワーク)

買い手用途 : 企業サイト、採用、SaaS LP、ブログアイキャッチ

攻略法

1. 汎用アイテムで訴求する

会議シーンを撮る際は、手・PC・書類・会議ツールなどの「誰が見てもビジネスとわかる要素」を活用しましょう。顔を出さなくても十分に需要があります。

2. 余白と視線誘導を意識する

広告や資料で使いやすい写真は、テキストを置ける余白視線を導く構図がポイント。デザイナーが編集しやすい写真が選ばれやすくなります。

3. 在宅×オンライン会議を小物で表現

近年需要が増えているのが在宅ワーク・オンライン会議のシーン。ヘッドセットや外付けマイク、イヤホンなどの小物を置くだけで「画面越しのコミュニケーション」を想起させる写真になります。

4. NG例と落とし穴

売れにくいのは、ただの会議室写真、散らかった机、ブランドロゴが残っている写真です。購入者にとって使いにくい要素は避けましょう。

ビジネス・ライフスタイルの攻略法まとめ

オンライン会議のシーンを撮るなら、ノートPCとマイク付きイヤホンを組み合わせるのがおすすめです。

撮影用のマイク付きイヤホンを探す

※価格は変動する場合があります。

テクノロジー(AI・クラウド・セキュリティ)

買い手用途 : テック系の記事、製品発表、採用テックブログ

攻略法

1. 抽象背景+象徴的なビジュアルで直感的に伝える

AIやクラウド、セキュリティといったテーマは、実写では表現しづらいことが多いです。そこで効果的なのが、抽象背景に象徴的なビジュアルや線形グラフを重ねる手法。見るだけで意味が伝わる“説明不要の世界観”が購入者に好まれます。

2. 青系グラデーションは鉄板配色

テクノロジー系の定番は、青系グラデーションに点・線・ドットの要素を加えた背景です。さらに、テキストを配置できる余白をしっかり確保しておくと、デザイン要素や資料に組み込みやすくなります。

3. バリエーションを量産して検索面を広げる

同じテーマでも、左右反転・色の濃淡・ドットの密度などを変えて複数パターンを展開するのがポイント。検索画面でシリーズ的に並ぶことで購入者の目に留まりやすくなり、売上アップにつながります。

4. NG例と落とし穴

避けたいのは、意味が伝わらない装飾や、色が派手すぎて文字が読みにくい背景です。ビジネス用途を想定し、シンプルかつ汎用性の高い仕上げを心がけましょう。

テクノロジーの攻略法まとめ

ヘルスケア・ウェルネス(医療・予防・メンタル)

買い手用途 : 医療機関ページ、健康記事、保険LP

攻略法

1. 清潔感と信頼感を表現する

医療・健康系の写真では、白背景やハイキーなライティングで清潔感を出すのが鉄則です。さらに、余白を広めにとり直線的な構図にすることで、信頼感や安心感を演出できます。

2. 手元クローズアップで用途を示す

病院やフィットネスシーンでは、血圧計・問診票・ヘルスチェックアプリUIなど「利用シーンがすぐ伝わる手元カット」が有効です。顔を出さなくても、健康や診療をイメージさせることができます。

3. プライバシーへの配慮を徹底する

顔を出す場合は、必ずモデルリリースを取得しましょう。院内や機器が写る場合も、プロパティリリースが必要になるケースがあります。商用利用を前提に、リスクを排除するのが基本です。

4. NG例と落とし穴

医療機器のブランド名が残っている写真や、誇張しすぎた演出(不安を煽る表現など)は避けましょう。ユーザーに安心感を与える仕上げが大切です。

ヘルスケア・ウェルネスの攻略法まとめ

聴診器を使ってイメージを撮影するのは、医療系ストックフォトとして最適です。

撮影用の聴診器を探す

血圧計を使ってイメージを撮影するのは、健康チェックやヘルスケア関連のストックフォトとして最適です。

撮影用の血圧計を探す

※価格は変動する場合があります。

環境・サステナビリティ(再エネ・省資源・リサイクル)

買い手用途 : CSR、IR、採用ストーリー

攻略法

1. シンプルな象徴で表現する

環境系は、葉と地球、ソーラーパネル、電球、風車、再エネアイコンなど、誰が見てもわかるシンプルな象徴表現が効果的です。複雑にしすぎず直感的に伝えることがポイント。

2. 安心感を与える配色+コピー余白

グリーンとブルーの配色は「自然」「安心感」を同時に伝えられる王道カラーです。さらに、テキストを配置できる余白を必ず設けると、広告用途での採用率が高まります。

3. 行動を伴う手元カットでリアリティを出す

「分別」「詰替え」「節電アプリを操作する手」など、行動シーンを切り取った手元カットを入れると、利用者の共感を得やすいです。

4. NG例と落とし穴

説教臭い表現や、要素を詰め込みすぎた複雑なコラージュは敬遠されます。シンプルで使いやすい仕上げを心がけましょう。

環境・サステナビリティの攻略法まとめ

抽象背景・テクスチャ

買い手用途 : プレゼン、サムネ、Web背景、Zoomなどの配信背景

攻略法

1. 汎用性の高いデザインを意識する

背景素材は、単色〜2色グラデーション、ソフトボケ、幾何学模様、紙・石・金属・コンクリートの質感など、用途を想定して仕上げると売れやすくなります。

2. バリエーション展開でセット販売を狙う

ライト/ダーク/彩度弱/彩度強といった4パターンを用意し、シリーズ化するのが効果的です。購入者は複数パターンを求めるため、販売率が上がります。

3. タグを体系化して検索面を広げる

タグ付けは「被写体名+質感名+用途」の組み合わせを意識しましょう。例:「背景, コンクリート, プレゼン資料」「背景, グラデーション, バナー」。体系的にタグを整えることで検索で拾われやすくなります。

4. NG例と落とし穴

コントラストが強すぎて文字が乗らない背景や、ノイズやバンディングが目立つ画像は不採用・不人気の原因になります。商用利用を前提に「文字が読みやすいか」を常にチェックしましょう。

実例補足:あなたの既存の“売れ筋”を柱に色替え・密度替え・構図替えでシリーズ化すると、検索面で強くなります。

抽象背景・テクスチャの攻略法まとめ

売れにくい(NG)傾向と、再生のコツ

ありがちな風景・単調スナップ

  • 問題 : 用途が限定・既出大量、曇天で冴えない
  • 再生のコツ時間帯を変える(朝夕)、俯瞰・前景・リードラインで“使える構図”に。人物シルエット小物でストーリーを付与

権利リスク(商標・ロゴ・建物の権利・個人情報)

  • 問題 : リリースなしの人物・私有地の内部・ロゴ入り製品
  • 再生のコツ正確な除去、マスク、トリミング、被写体の差替え、ぼかしで代替表現

品質不足(ピント・露出・ノイズ・色)

  • 問題 : 商用水準に届かない
  • 再生のコツRAW現像で基礎補正AIノイズ・シャープ(やり過ぎに注意)、Web用途前提の解像度最適化バンディング回避

季節・イベントの“消費期限切れ”

  • 問題 : 一時的な需要で在庫化
  • 再生のコツ汎用に転換(色替え、装飾要素を排除する)、次の年度に向けて再編集

小物撮影の注意点(ロゴ削除と商標リスク回避

ストックフォトでの撮影では、ビジネス系の小物(ヘッドセット・マイク・キーボード等)やヘルスケア系の小物(聴診器・血圧計等)を使うシーンがあります。これらは雰囲気づくりに欠かせないアイテムですが、メーカーのロゴや独自デザインがそのまま写り込むと商標リスクになるため注意が必要です。

なぜ注意が必要か

  • ストックフォト審査では「商標が写っている」と判断され、不採用の原因になる
  • 写真が特定メーカーの宣伝と誤解される可能性がある

撮影時にできる工夫

  • ロゴが見えない角度に置く
  • 無地や汎用性のあるデザインの小物を選ぶ
  • 一時的にテープでロゴを隠し、後でレタッチ
  • ヘルシーライフスタイルにヘルスケア系の小物を組み合わせる

画像処理での対応

  • Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」や修復ブラシでロゴを消す
  • Lightroomでも部分修正が可能な場合があります

「Adobe stock 売れない」を抜けるチェックリスト(保存版)

用途が一目で分かるか(テキストスペースは十分か)

同テーマの上位作品と比較して勝てる差分があるか

タグ30~50体系化しているか(名詞中心、重複排除、用途語を混ぜる)

色・明度・密度のバリエーションを最低3通り用意しているか

権利・品質は商用基準を満たすか(ロゴ・個人情報なし)

季節・トレンドを意識しているか

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タグ設計のテンプレ(抽象背景の例)

  • 素材名 : 背景, テクスチャ, グラデーション, 幾何学, ぼかし, ソフトフォーカス
  • 質感 : 紙, コンクリート, 金属, ガラス, 水彩, インク, ノイズ, 粒子
  • 色・調子 : パステル, モノトーン, 淡色, 濃色, 明るい, 暗い
  • 用途 : プレゼン, サムネイル, バナー, Webデザイン, 資料, スライド, テンプレート
  • シーン : ビジネス, テクノロジー, ヘルスケア, サステナブル, 教育
  • 特徴 : 余白, シンプル, ミニマル, クリーン, 近未来, 高級感

作例セットの組み方(量産の型)

  1. 基本形 : ライト版・ダーク版・低彩度版
  2. 構図差 : 中央余白・左余白・右余白
  3. 色相差 : 青系・緑系・ニュートラル
    1テーマ×3×3×3)=27バリエーションまで拡張可能です。(実際はその中から選抜して出品する)

よくある失敗と対策(ミニFAQ)

Q. 投稿を増やしても売れません
A. “量”より用途の明確さタグ設計。同テーマの用途別バリエで検索面積を広げましょう。

Q. 風景が売れません
A. 俯瞰、象徴物、季節のわかる要素を加え、コピー載せ余白を確保。地名タグ+汎用タグでハイブリッドなタグ構成にしましょう。

Q. 審査で落ちやすいです
A. ロゴ、権利、品質の初動チェックのフローを固定化しましょう。投稿する画像を拡大して確認→ノイズ・色かぶり→明部のバンディング→メタデータを最終確認しましょう。

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まとめ

“売れるかどうか”はジャンル×用途×タグでほぼ決まります。ビジネス・テクノロジー・ヘルスケア・サステナビリティ・抽象背景の汎用5本柱を軸に、色・構図などの量産化でバリエーションを広げて、NG傾向は再編集で資産化。ポートフォリオを買い手視点に組み替えれば、「adobe stock 売れない」から抜け出せます。