撮影の目的
今回のフォト旅は、等々力渓谷公園の新緑の撮影と、武蔵小杉の高層ビル群が見える撮影スポットの下見を兼ねて訪れました。
ストックフォトでは「新緑」をテーマにした写真の需要が高まりはじめており、その撮影も目的のひとつです。
当日の天気は曇りのち晴れ。雲が多めでしたが、時折雲の切れ間から青空と太陽がのぞく瞬間もあり、撮影には十分な条件でした。
等々力渓谷公園は一部通行止めに
等々力渓谷公園では、令和5年7月に発生した倒木被害の影響で、一部区間が通行止めとなっていました。倒木の原因は病虫害や異常気象による樹勢の衰退で、安全確保のために通行止め措置がとられています。
園内各所には、「通行止めのお知らせ」や「現状の説明」「迂回路の案内」などの掲示があり、しっかりと情報提供がされていました。
ただし、日本庭園や等々力不動尊へは迂回路を通じてアクセス可能で、散策や撮影を楽しむことができました。





迂回路を通って等々力不動尊へ
通行止め区間を避けて、迂回路を歩いて等々力不動尊へ向かいました。道のりはやや長く感じましたが、整備されたルートで安全にアクセス可能でした。
気温は高めで、歩いていると汗ばむ陽気。季節としては春の終わりから初夏を感じさせる一日で、木々の新緑がまぶしく映りました。
途中の環八通りの橋からは、渓谷と川を見下ろす美しい風景も楽しめました。
環八通りの橋から望む等々力渓谷の緑と川の流れ
等々力不動尊へ向かう途中、橋の上から撮影した一枚。春の新緑が川沿いに広がり、谷の深さと自然の豊かさを感じられる風景です。

等々力不動尊の自然と建築美
等々力不動尊周辺は、新緑と寺社建築のコントラストが魅力的。朱塗りの橋や石段、灯籠など、写真映えするポイントが点在しています。
青々としたイチョウの葉と屋根の対比
新緑のイチョウの葉と、寺院の瓦屋根のコントラストが美しい。春から初夏への季節の移ろいを感じさせてくれる光景です。

池に映る朱塗りの橋と新緑
日本庭園の池にかかる朱塗りの橋。水面には橋と周囲の新緑が鏡のように映り込み、まるで絵画のような美しさ。

新緑のトンネルを抜ける石段
等々力不動尊へと続く石段。頭上には木々が覆い、木漏れ日が階段を照らす。静けさと荘厳さを感じさせる場所。

利剣の橋と渓谷の緑
等々力渓谷の中にある「利剣の橋」。鮮やかな緑に囲まれた橋と渓流が、等々力ならではの静かな自然を伝えてくれる。

見晴台からの俯瞰風景
等々力不動尊のそばにある見晴台からは、谷全体を見下ろすことができ、緑が一面に広がる絶景が楽しめました。木々の間に赤い橋が見える構図は、春から初夏にかけての新緑シーズンならではの見どころです。

落ち着いた空気の中で、じっくりと構図を探しながら撮影することができました。
新緑と谷沢川の情景
今回の目的の一つである。新緑の風景を撮影していきました。
太陽の光が差し込む木々のトンネル
頭上を見上げれば、太陽が差し込む新緑の天井。季節の移り変わりを、光と影のコントラストから感じ取ることができます。

水面に影を落とす緑もみじ
谷沢川に沿って歩いていると、柔らかな光に照らされた緑もみじが風に揺れていました。川面には葉のシルエットが映り込み、静寂と潤いを感じさせる風景です。

深紅の和傘と、背景の新緑
園内の茶屋のそばにあった和傘。新緑の背景に、鮮やかな赤が映え、春から初夏への季節の情景に彩りを添えていました。日本らしい色のコントラストが際立つ印象的な構図で撮影しました。

日本庭園で出会った竹林と季節の花
等々力渓谷内の日本庭園にも立ち寄りました。かぶき門をくぐると、竹林と石畳が広がる静寂な空間が広がります。
日本庭園の入口にある「かぶき門」
等々力渓谷内にある日本庭園は、かぶき門をくぐると一気に静寂な世界へと誘われる空間。竹林と苔むした石の小道が、まるで別世界のような雰囲気をつくり出しています。

空へと伸びるような竹と、足元の石段
庭園内の竹林は、見上げると空を覆うように立ち並ぶ様子が印象的。足元には風情ある石段が続き、歩くだけで心が落ち着くような場所でした。

庭園の一角で咲いていたしゃくなげの花
春の終わりを告げるように咲いていたしゃくなげの花。日本庭園の落ち着いた雰囲気の中で、ひときわ目を引く存在でした。

狐塚古墳緑地から武蔵小杉を望む
等々力不動尊を後にして、狐塚古墳緑地へ。こちらは古墳時代中期後半の円墳跡で、現在は高台の緑地として整備されています。
目的は、ここから武蔵小杉の高層ビル群が見えるかの下見。木々の間からですが、構図を工夫すれば撮影は可能だと感じました。
案内板や古墳の説明が充実していて、歴史散策としても興味深いスポットでした。
世田谷区立 狐塚古墳緑地の案内看板。周辺は静かな住宅街の中にあります。

狐塚古墳の概要を説明した案内板。古墳の構造や発掘調査の様子も紹介されています。

狐塚古墳緑地からの眺望。住宅地越しに高層ビルが見える。

木の枝がやや視界を遮るものの、構図を選べば高層ビル群のシルエットが捉えられる。

高台からは、木々の合間に武蔵小杉の高層ビル群を望むことができました。
見晴らしはそれほど開けてはいませんが、時間帯や天候によっては撮影可能な構図も狙えそうです。
多摩川河川敷で自然と都市の対比を撮影
最後に立ち寄ったのは多摩川の河川敷。ここでは、手前に咲くハマダイコンやツツジなどの草花と、背景にそびえる武蔵小杉の高層ビル群という、自然と都市の対比構図が楽しめました。
晴れ間も広がり、色彩も鮮やかに。ストックフォトとしても使えそうなカットが多数撮影できました。
鮮やかなツツジと高層ビル群の対比。自然と都市が隣り合う多摩川らしい風景。

武蔵小杉の高層ビル群を背景に咲くハマダイコン。手前の草花を焦点をあわせて印象的に。

【撮影ルート】等々力渓谷から多摩川河川敷まで歩くコース
今回は等々力駅をスタートし、等々力渓谷〜等々力不動尊〜狐塚古墳緑地を巡り、最後は多摩川の河川敷まで歩きながら撮影しました。新緑の渓谷と、街並みを望む撮影スポットのルートです!

撮影ルートはこちら ▶︎ Googleマップで見る
※Googleマップのルートでは、狐塚古墳緑地から多摩川河川敷へ向かう際は少し遠回りになりますが、実際には遠回りせず、上の地図のように徒歩でアクセス可能です。
撮影を終えて
今回のフォト旅は、等々力渓谷の自然と静寂、そして都市風景を一日で楽しめる貴重なルートでした。
春から初夏にかけての等々力は、新緑の撮影スポットとして非常におすすめです。今後は、都市風景と自然を組み合わせた構図を探す場としても活用していきたいと思いました。
※掲載写真についてはこちらをご覧ください。