はじめに

審査が厳しい・売れない…その悩み、実は多くの人が感じています

ストックフォトを始めてみたものの、「Adobe Stockの審査に通らない」「アップしても全然売れない」といった声はよく聞かれます。筆者自身も、最初はなかなか審査に通らず、売上もゼロが続いていました。

でも、それはあなただけではありません。多くの初心者が同じようにつまずいています。

この記事では、Adobe Stockに投稿する風景写真を中心に、「なぜ審査に通らないのか?」「売れないのはなぜか?」を整理し、改善のヒントをお伝えします。

Adobe Stockの審査が“厳しい”と感じる理由とは?

明確な審査基準が公開されていない

Adobe Stockでは、ShutterstockやPIXTAなどと比べて審査基準がやや不透明に感じられることがあります。「何が悪かったのか分からない」というフィードバックが、初心者のつまずきにつながります。

審査水準は“安定した品質”を維持するため

近年、誰でも高画質な写真を撮れるようになった分、Adobe Stockではノイズ、露出、構図、不要物などへのチェックが細かくなっています。このため、少しの粗でも「技術的な問題」として落ちることがあります。

AI画像の台頭で基準が変化?

AIによるイラストや背景素材の投稿が急増しており、全体のクオリティ水準が引き上げられている影響もあります。特に実写作品は「使いやすさ」「構図の整理」「情報の抜けのなさ」が今まで以上に求められている印象です。

売れない風景写真にありがちな共通点とは?

ストックフォトでは風景写真が人気ジャンルのひとつですが、その一方で「売れない」という声も多く聞かれます。
ここでは、特に風景写真において初心者がやりがちな“売れにくいパターン”を3つご紹介します。

すでに大量にあるジャンルばかりを投稿している

たとえば「富士山」「桜」「東京タワー」といった定番の風景は、すでにAdobe Stock内に膨大な数の類似写真が投稿されています。
そうしたジャンルは競合が強く、よほど目を引く構図や光の工夫がないと、検索結果に埋もれてしまいがちです。

商用利用を意識していない構図・被写体

風景写真を“記録”として撮影する場合と、“使われる写真”として撮影する場合では、構図や主題の設計が異なります。
たとえば以下のような写真は、ストック用途として避けられることがあります。

  • 被写体が中央に写っているだけで、余白がない
  • 背景に無関係な人や車が写り込んでいる
  • 明確なメッセージ性や汎用性がない

商用利用される風景写真は、「自然の背景素材として使いやすい」「メッセージを乗せられる余白がある」「都市名や地域の紹介に使える」などの使い道をイメージできるものが選ばれやすい傾向です。

タイトル・タグがユーザーのニーズとズレている

どんなに美しい風景写真でも、検索に引っかからなければ存在しないのと同じです。
タイトルやタグでよくあるミスは以下のようなものです。

  • 「緑のトンネル」だけしか記載していない
    (誰が検索するのかわからない?)
  • 地名や場所だけで、シチュエーションが不明
    (例:「六義園」だけ)
  • タグが5個未満など極端に少ない
    (タグが10個未満だと検索に引っかかりにくく、できれば20〜30個を目安に設定するのがおすすめです。)

検索されることを意識したワード(例:「新緑」「並木道」「自然の背景」「観光地名+季節」など)を適切に含めることが、売れ筋に近づくための第一歩です。

※このあたりは【関連記事】でも詳しくご紹介しています。

タグ構成の例(風景写真の場合)

タグは「地名」「季節」「構図」「用途」など、カテゴリごとに整理して考えると、自然に数が増えていきます。以下は、風景写真のタグ構成の一例です。

カテゴリタグ(例)
撮影地六義園、東京、日本、関東
季節・自然新緑、春、初夏、木漏れ日
構図・視覚要素並木道、緑のトンネル、遠近感、奥行き
用途ワード自然背景、ヒーリング、観光イメージ、ブログ素材
抽象イメージ静けさ、癒し、落ち着き、リラックス
写真の種類和風、庭園、日本庭園、風景写真

画像編集を始めたい方におすすめ!

Adobe Lightroom

よくある初心者の「負のループ」とは?

審査や販売がうまくいかないと、つい次のような“負のループ”に陥ってしまいます。

  • 審査に落ちる → 自信をなくす → 投稿しなくなる
  • 売れない → モチベーション低下 → 分析や改善をやめてしまう

これは非常にもったいない状況です。

PDCAを小さく回すことが継続へのカギ

ストックフォトにおけるPDCAの流れは次のようになります。下の図をご覧ください。

ストックフォト販売におけるPDCAサイクルを表した図。Plan(投稿)、Do(反応の確認)、Check(原因の分析)、Act(改善と再投稿)の4ステップを円形に循環させた構成。

これを繰り返すことで、少しずつ「売れる感覚」がつかめてきます。

続けた人だけが「売れる感覚」に近づける

ストックフォトは、投稿と分析を繰り返すことで“売れる傾向”が徐々にわかってくる世界です。最初の壁を越えられるかが分かれ道になります。

売れない時の改善アクション

需要を知り、作品を見直し、改善を繰り返すサイクルをつくろう

「審査が厳しい」「売れない」と感じたときこそ、ただ落ち込むのではなく、改善のための一歩を踏み出すチャンスです。ここでは、筆者が実際に行って効果のあった改善アクションと考え方をご紹介します。

  • まずは“需要”を知る
    自分が投稿したい写真が、「実際に求められているか?」を確認しましょう。
    ・ Adobe Stockの検索バーにキーワードを入力し、表示されるサジェスト(候補)をチェック
    ・ PIXTAや写真ACで「ダウンロード数順」に並べて、売れている写真の傾向を探る
    ・ PinterestやInstagramで実際に使われている写真のスタイルを観察
  • 過去の作品を見直す
    撮影した写真は、一度投稿して終わりではありません。
    構図のトリミングや色調補正、タグやタイトルの修正によって、売れない写真が“売れる写真”に生まれ変わることもあります。
    特に風景写真は、「余白を作る」「明暗差を整理する」などの編集が効果的です。
  • 小さくPDCAを回してみよう
    ストックフォトでは「投稿して終わり」ではなく、反応を見て改善することがとても大切です。
    ・ 投稿して → 反応を見る → 改善する
    このサイクルを続けることで、徐々に「売れる写真の感覚」が育っていきます。
  • 焦らず、地道に続けることが成果に
    すぐに売れないのは、珍しいことではありません。
    特に風景写真のように競合が多いジャンルでは、「質」と「投稿の継続」がカギになります。
    1枚1枚を丁寧に見直し、改善していくことで、必ず少しずつ成果が見えてきます。

Adobe Stockの公式ページにも、投稿前のチェックポイントや審査基準が紹介されています。
▶︎ Adobe Stock コントリビューター公式ガイドはこちら

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