はじめに:この記事の狙い

  • 売れない素材に共通するポイントを知ることで、改善につなげられる
  • 「なぜ売れないのか」を可視化することで、次回の投稿に活かせる
  • 読者のターゲット:投稿してるけど売れ行きがイマイチな初心者

よくある「売れない写真素材」の特徴

ストックフォトでは、ただ綺麗な写真を撮るだけでは売れません。実際に審査を通ったとしても、まったく売れない写真には共通するいくつかの特徴があります。以下では、初心者がやりがちな「売れない写真あるある」を具体例付きで紹介します。

1. ピントや露出に問題がある

撮影の基本的な部分であるピントや露出が合っていない写真は、使い道が限られるため、購入されにくくなります。

  • 夜の街並みを手持ちで撮影
    → 微ブレが発生していて、拡大するとシャープさに欠ける
  • 逆光の桜並木
    → 花の色が飛んでしまい、白くのっぺりして見える

2. ニーズのない題材

写真としては綺麗でも、「誰がどんな用途で使うのか」が想像しづらい写真は売れにくい傾向があります。

  • 近所の雑木林の風景
    → 旅行写真としても商用利用としても中途半端
  • 飼っているペットの写真(背景に生活感が出すぎている)
    → 商用に使いづらい

3. 他と被る・ありきたりすぎる

すでに何千枚も登録されているテーマに似た写真は、埋もれてしまいやすく、売れるまでの競争率が非常に高いです。

  • 雲ひとつない青空
    → 「青空」で検索すると何千件も表示される
  • 真上から撮ったランチ写真
    → 飲食ジャンルは特に競合が激しい

4. コンセプトが不明確

何を伝えたいのかが曖昧な写真は、検索結果に表示されてもスルーされがちです。

  • 街の風景をなんとなく撮ったスナップ
    → 「主役」がなく、構図に意図が感じられない
  • 中途半端に人物の後ろ姿が写っている
    → モデルリリースがないと商用不可に

5. 商用利用しづらい

ストックフォトでは、写真が「使いやすいか」も重要な判断材料です。使いづらい要素が含まれていると、購入まで至らないことも。

  • 店舗の看板や企業ロゴが写り込んでいる
    → 修正が面倒なので避けられる
  • 背景がごちゃついていて、テキストスペースが確保できない

このような特徴に心当たりがある方は、一度自分のポートフォリオを見直してみるのも良いかもしれません。

実例コラム① : 風景写真ばかり撮っていた頃は…

私もストックフォトを始めたばかりの頃は、風景写真ばかりを撮っていました。特に東京近郊の公園や山、海、街並みなど、「とにかく綺麗だと思ったもの」をひたすらアップしていました。

でも…まったく売れませんでした。

理由は今ならよくわかります。「風景写真」というだけではニーズがとても曖昧だったんです。
構図や撮影タイミングに気を配っていたつもりでも、「この写真を誰が何に使うのか?」という視点が欠けていたんですね。

実例コラム② : 都市風景は数が多すぎる

ある時、他のストックフォトサイトで見た「東京の高層ビル群を背景にした都市風景」がすごく印象的で、自分も似たような写真を撮影してみました。

しかし、いざ投稿してみると全く反応がなく、まったく売れませんでした。

理由はシンプルで、「同じような構図・テーマの写真がすでに何千枚もある」から。しかも、既存の写真の方がクオリティも高く、わざわざ自分の写真を選ぶ理由がない状態でした。

この体験から、「ただ真似するだけではダメ。どう差別化するかが重要だ」と強く感じました。

どうすれば売れる写真になるか? 改善のヒント

売れない理由を知ったら、次は「どう改善するか」です。ここでは、私自身が試してきた中で効果のあった改善ポイントをいくつか紹介します。

1. 需要のあるテーマに寄せる

写真を「撮りたいもの」から「求められるもの」にシフトするだけで、売れる確率がグッと上がります。
ビジネス、医療、テクノロジー、環境問題、季節行事など、広告やWeb制作に使いやすいジャンルは常に一定の需要があります。

ヒント
  • Adobe StockやShutterstockで「売れている写真」を検索してみる
  • 雑誌やネット広告で使われている写真を観察する

「売れている写真」の見つけ方

需要のあるテーマを知るには、実際に売れている写真を見るのが一番手っ取り早いです。以下のような方法で確認できます。

Adobe Stock の場合

  • 写真の場合、左側の選択部分を「画像」に変更して、検索バーにキーワードを入力(例:「ビジネス」「風景」など)
  • 並び順を「ダウンロードの多い順」に変更
  • 上位に表示される写真を観察する(構図・色・人物の有無など)
  • 上位作品のタグや説明文も参考にする

Shutterstock の場合

  • 左側の選択部分を「写真」に変更して、検索バーにキーワードを入力
  • 検索後、フィルターやソートを「人気の高い順」に変更
  • 写真の使用例や「類似する画像」の表示も参考になる

PIXTA の場合

  • PIXTAは「販売回数順で表示」で検索、上位表示される素材をチェック
  • 「PIXTA analytics」という便利な機能もあり、「キーワード散布図」「複合キーワード」「購入・ダウンロードにつながったキーワード」などから、実際に売れている素材や検索動向を自分で調べることができます。

その他の参考方法

  • iStockは「人気順」でチェック可能
  • 雑誌広告や企業HPなど、実際に使われている写真を観察する
  • Canvaやデザインテンプレートサイトなどでよく使われている写真を観察

ポイント
  • 「同じキーワードでも、どういう切り口が選ばれているか」を見る
  • 被写体・構図・明るさ・余白の取り方などに共通点がある

このように各サービスの「人気写真」や「分析ツール」を活用することで、自分の投稿スタイルに合ったジャンルや切り口が見えてきますよ!

2. コンセプトと使い道を意識する

撮る前に「この写真は何に使われるか?」「どんなコンセプトか?」を明確にすると、写真の方向性が定まります。

  • 「ビジネスミーティング風景」
    → 顔の写らない構図+スペースの確保
  • 「春の散歩」
    → 明るい光と空間、ナチュラルな雰囲気を意識
ポイント
  • テキストスペース(余白)を確保すると使いやすい
  • 人物なし・物のみでも「シーン」を想像できるようにする

3. 差別化を意識する

人気ジャンルに挑戦するのは悪いことではありません。でも「ただ似せるだけ」では埋もれてしまいます。構図や色、被写体の組み合わせに一工夫加えて、差別化を図りましょう。

実例コラム②で述べた通り、東京の都市風景を撮影しても、既にプロの作品が何千枚と登録されています。似た構図では勝負できないことを実感しました。

ポイント
  • 同じ場所でも「時間帯」や「視点」を変えて差別化する
  • 季節感や人の動きでシーンにストーリーを加えて差別化する

4. 被写体の情報整理と構図の見直し

「何が写っているか」ではなく、「どう見せるか」が大切。構図に意図を持たせるだけで、写真の印象は劇的に変わります。

ポイント
  • 背景がゴチャゴチャしていないか
  • 主役がちゃんと引き立っているか
  • 構図に動きやリズムがあるか

5. 写真の用途を“想像しながら”撮る

「この写真をWebで見かけるとしたら、どんな記事に使われるか?」を想像してみましょう。売れている写真の多くは、「そのままチラシやバナーに使えそう」な完成度を持っています。

ポイント
  • 「◯◯(行事) イメージ」「◯◯(業界) イメージ」と検索してみる
  • CanvaやPowerPointなどに仮で入れてみるのも◎

こういった改善を意識するようになってから、少しずつダウンロード数も増えていきました。「なんとなく撮る」から、「使われることを考えて撮る」に変えるだけで、写真の価値は大きく変わります。

実例コラム③ : 売れなかった写真を“別のストックサイト”で再利用

売れなかった写真を、ただボツにしてしまうのはもったいないこともあります。
実は、別のストックフォトサービスに投稿し直すことで、売れることもあるのです。

たとえば私自身、Adobe Stockでまったくダウンロードされなかった風景写真を、写真ACにアップしたところ、ダウンロードされたことがありました。

ポイント

なぜ再利用が有効なのか?

  • サービスごとに利用者層が違う
    → Adobe Stockは世界各国の教育機関、企業やデザイナーなど、写真ACは国内の企業・教育機関・自治体・個人など
  • 審査基準や表示アルゴリズムの違い
    → 一度落ちた写真でも、他サービスでは通過&露出されることがある
  • タグの工夫や説明文で印象が変わる
    → 写真に合わせた表現で投稿し直すと、検索に引っかかりやすくなる

活かし方のヒント

  • Adobe Stockで売れなかった写真 → 写真ACやPIXTAにも展開してみる
  • 再投稿時にはタグや説明文を調整して新しい切り口を探す
  • サービスごとの「人気写真」を参考に、自分の撮影した似た傾向の素材を選ぶ

注意点も忘れずに

  • 同じ素材を複数サービスに出すには、ロイヤリティ契約が「非独占」であることを必ず確認
  • 一部のサービス(PIXTAの独占契約など)は併用NGなので要チェック!

ストックフォトでは、「一度売れなかった=永遠に売れない」ではありません。
素材の“再利用”は、立派な販売戦略のひとつです。売れ筋との相性や投稿先を変えることで、意外なところからダウンロードされるかもしれません。

まとめ:売れない素材にも価値はあるかも?

ストックフォトでは、技術的に問題がなくても「売れない写真」はたくさんあります。
でも、売れなかった写真は決してムダではありません。
「なぜ売れなかったのか?」を考えることこそが、次に繋がる大きな一歩になります。

ポイント

売れなかった写真も“素材”になる
もし売れていない写真があっても、それを「どう活かすか」は自分次第です。

  • 構図を変えて撮り直す
  • 色味を調整して印象を変える
  • 別の用途を想定してリフレーミングする

次に活かすためにできること

  • 自分のポートフォリオを見直して、売れていない写真の共通点を探す
  • 売れている素材と比較して、構図や光の使い方を研究する
  • 実験的に構図やジャンルを変えて投稿してみる
  • 別ストックサイトに投稿してみる

本記事のおさらい

  • 売れない写真には「ニーズのなさ」「構図の曖昧さ」「被写体の被り」など共通点がある
  • 写真を「撮りたいもの」から「使われるもの」にシフトすることが大切
  • 実際に売れている写真を観察することで、自分の方向性が見えてくる

私自身も最初は「なんで売れないんだろう?」と悩んでばかりでしたが、経験を重ねるうちに、「売れないこと」そのものが学びになると気づきました。

たとえば、最初に撮っていた風景写真は全然売れなかったけれど、「じゃあ、どうすれば使ってもらえるか?」を考えはじめたことで、写真の見方や撮り方がガラッと変わったんです。